Love Letter作者: 石田衣良,川端裕人,森福都,前川麻子,島村洋子出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2005/12メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (21件) を見る
11人の作家によるラブレターに関する短編集。
読みながら、うーんいまいち。と思っていたが。
今目次を見ながら思い出すと、意外と良いかも。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
前川麻子「ミルフイユ」
「彼はとても魅力的な人だけど、私が感じ取っている彼の好意など、恋人のいる男の人特有の、ちょっとした刺激の一つに過ぎないんじゃないかとも思ったからだ。その不安がありながら彼を求めるほど、私は純粋じゃなかった。」p84
「自分にうんざりしながら誰かを好きでいるより、どれほど淋しくとも自分を好きでいるほうが良い。」p88
人の男を好きになるということ。
そうだよなぁ。と思う。
******************************************************************
石田衣良、桐生典子は短編小説にありがちな感じの作品、まぁまぁだがそれまで。
●島村洋子「空」
今の私の憧れの恋の方法。信頼しあう。私には難しい。
●川端裕人「ラブレターなんてもらわない人生」
“平凡”でありたい主人公の考え方が、一本。なんだか良い。
●森福都「再開」
レズビアンの恋愛。私の今の流行?
●前川麻子「ミルフイユ」
ラストは少し腑に落ちない良い話しすぎるけど、途中の激しさは良かった。
多分、その激しさに憧れてる。
●山崎マキコ「音のない海」
この人の小説は派手な感じがする。
でも今まで読んだものよりも、派手だが、ちょっと暗がりがあってよかった。
●井上荒野「虫歯の薬みたいなもの」
不倫していることがほのめかしてあるのでなんだか切なくなる。
なんだか大人な交流が心を和ませる。
●三浦しをん「永遠に完成しない二通の手紙」
最近三浦しをんは男同士の恋愛ばかりだな。別にいいけど。
やはり少し軽い。
だけど、上手い。
言葉使い、表現方法が好きだ。
●いしいしんじ「きまじめユストフ」
勝手なる偏見で、読んでいなかった小説家。
ちょっと空気が寒い、暗い感じがする。
だけどその中に、ちょっとだけ人間性を感じる。面白い作家かもしれない。
こういう発見があるから、アンソロジーって面白い。