マラケシュ心中 (講談社文庫)作者: 中山可穂出版社/メーカー: 講談社発売日: 2005/05/13メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 5回この商品を含むブログ (38件) を見る

ジバンシイの「ランテルディ」を買いたくなった。

女性同士の恋愛。
熱い愛、どろどろとした激しい愛の物語。
主人公はレズビアンを公言している歌人
男らしいかっこいい性格をしていて、人間て女も男もないよなぁ。
個性ってやつだよなぁ。と感じる。


前半は良かった。
のに、書下ろしとは思えないような安定感の無いストーリー展開。
作者の意志がゆれている感じがした。
中盤の事件、だけど突然それは終わる。
後半の心の動き。
ラストの方法。
中盤以降があまりにもゆれている。振れている。

帯の言葉に惹かれた。
「恋がいつか必ず終わるものなら、わたしたちは恋人同士になるのはやめましょう。
何も契らず、何も約束せず、からだに触れ合わず、それゆえに嫉妬もない、いかなるときも自由で、平明で、対等な関係のまま、いつまでも離れずに、この世で最も美しい友になりましょう。」


 

 「自分の気持ちに無理やりに蓋をして、狂おしくうねる感情の渦を力ずくで封じ込めてしまうことだった。それは自分自身が空っぽになっていくような作業だった。」
 p98

「この子の空っぽの肉体に痺れる熱を注ぎ込むことが出来たら。生きていく恐怖をほんの束の間忘れさせ、確かに生きているのだという実感を瞬間的にでも感じさせてやることができたら。私は心からそれを望んだ。セックスをする意味なんて、それしかない。」
 p139

「一生涯、親友でいるより、十日間でいいから、わたしはあなたと恋人同士になりたかった。」
 p175