沼地のある森を抜けて作者: 梨木香歩出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2005/08/30メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 19回この商品を含むブログ (179件) を見る

今日は昼に起きて、昼から読み始めて、読みながら寝て…
ほぼ寝ていた一日だった。
その合間に、この本を読んだ。
なんだかとても不思議なファンタジーで、眠りながら読むにはぴったりだった。

梨木香歩は、私の信頼する作家のうちの一人。
いつもとてもゆったりとしていて、ちょっと古い暮らし、基本的な自然、その神秘的な現象が題材になっている。

今回は、菌類。
ぬか床から始まるファンタジー

生命とは、生殖とは、進化とは?
クローンとか、固体とか、そういうことに関する提議。
なんだか自分の考えが甘いことに気付く。
出てくる人々がいつもとても俗世間的でなく、自分の世界の中で寂しさを少し湛えながら生きているかんじがする。

ラストが少し微妙。
だけど、ラストの風野さんとの交流はなんだかとても自然で、愛おしくて、優しさがあって、良かった。
愛って言うのもいいなぁ。


寂しさを抱えた生命(人間)。というのが、なんだか哀しくて愛おしく感じられる。