桃作者: 姫野カオルコ出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2005/04/01メディア: 単行本 クリック: 11回この商品を含むブログ (43件) を見る

『桃』というタイトルと姫野カオルコという作家から、これはエロイな。と思いながら借りた。
そんなでもないけど。
 中学校を中心にした連作集。
女の子は大人だ。
 中学生と教師の恋とか、中学生と大学生の恋とか、その周りの人々とか。
 中学生と教師の恋・情事の話「高瀬舟、それから」が特に良い。
セックスシーンに愛を感じるもの。
 そして、わかるわ・・・と思った。
あぁ、私もいつの間にか大人になったもんだ・・・

 中学のころの私には、残念ながらわからなんだな。
 そして、「青痣(しみ)」も良い。
 なんかすごい大人で。でも、こんな気持ちあるよな。と思う。

 評される、あるいはもっとひらたく、噂されるという状態は、対象となる人物の外見の造作がどうであるかという真実より、対象となる人物に評者が自己の評を伝えたくなるかどうか、そして、評者が別の評者ともその人物を話題にしたくなるところの、が意見とは別の要素を持っているかどうかによって起こるのである。

恋するものは、性欲に焦がされながら、同時に、氷のように寂しいのである。