天国はまだ遠く作者: 瀬尾まいこ出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2004/06/23メディア: 単行本 クリック: 58回この商品を含むブログ (121件) を見る

これは、映像化したいなぁー。と、読み終わった瞬間思った。
とても映像化しやすく、そして、とても素晴らしいものになりそうな・・・。(ちょっとありがちっぽいけど。)

 短大を卒業後働き、神経をすり減らし生きてきた23歳の千鶴は、自殺を決意し、山奥の民宿田村を訪ねる。
 睡眠薬を大量に飲み自殺を決行するも失敗。
 そして、民宿の田村さん(30歳男)と交流しつつ、なんだか暖かい、寂しいストーリーが展開していくのです。
 
 
 この田村さんがいっじょうに良い男!良い男過ぎるのです!
 千鶴の彼氏も、また、なんだか良い男なのです!
 出てくる男は恐ろしく良い男だし、主人公はまたなんだか不思議な魅力を持つし、世界は美しいし。
 なんだか温かくて、でも、「農村のほのぼのとした温かさによって自分を取り戻していく主人公」みたいなそんな話しではなく、温かさの中に、なんだか寂しさと現実味を兼ね備えた、とても素晴らしい作品なのです。

 ラストのちょっとしたところが気に入りませんが、でも、ラストの切なさも好きです。
 良い男過ぎる。
 でも、そこで二人くっついたら、ねぇ、駄目でしょう。ありがちすぎで。




『図書館の神様』でもそうだったけど、瀬尾まいこはとてもとても良い男を書く![:ラブ:]


 現役国語教諭ってこともあり、寡作ですが、まだまだ作り続けてほしい。