もっと、わたしを作者: 平安寿子出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2004/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブログ (28件) を見る
やっと昨日手に入れました。
優柔不断・プライド高すぎ・成り行き任せ・自意識過剰・自己中心
このような性格を強く持つ五人の男女が主人公の5つの物語。
これの売り出しの文句としては、偏っていて、自分らしく生きる彼らが苦しみ悩んで、でも、変わらずにそれでも暮らしていく、そういう話。
始めの三つは男の子の話。
成り行き任せの男の子が出てくる「なりゆきくん」は私には納得のいかないラスト。
私としては,これが幸せか!?とか思ってしまうのだけど。
何より私が共感したのは「愛はちょっとだけ」。
なんてすごいんだろうって思った。
作家ってなんてすごいんだろう。なんでわかんの??
私はこの主人公絵真ほどいいやつじゃない。
でも、すごくわかる。絵真をもう少しやなやつにして、もう少し色気をなくしたら私だ。
絵真はすごくかわいくて、ちょっと笑えば男が落ちる。
だけど、本当に好きだった人には、「かわいかったから」付き合ったかのようなことを感じる別れ言葉をもらい。
「こいつと付き合ったらポイント高い」の観点からしか見られてないのか、って、人を好きになる事を忘れて、
愛はちょっとだけ。
ラストのシーンには、すっごく心に響く心がたくさん!
本当の不幸のチャンピオンはわたしかもしれない。絵真は、そう思った。
一度の傷心で用心深くなって、せっかく誰かと出会っても自分で境界線を作って、ちょっとだけしか愛さない。こんな私のほうが、愛しすぎるあんたたちより不幸だと思わない?
そうか。意識的にじゃなく、自然に笑えればいいんだ。
人をみるたび、野良猫みたいに身構えて。言葉の裏ばかり読もうとしてきた。読んだつもりになっていた。見た目通りの薄っぺらな女だと軽んじられないためには、最初から相手を見下すしかなかった。だけど、だから、なんにも見えてなかったのかもしれない。
電車ん中で泣いた。
一つ一つのストーリーに少しずつ他の話に出てきた人が出てきたり、そういう喜びも一応入ってる。
ラストの話には、絵真が出てきてて、とっても良い女になれてた。
かわいいのに、変な顔できることか、すごいよなー。
そこまでいけば、本当に美しいんだなーと、認めずにいられないし。
あぁ、だけど、私は,まだ人を愛せない。
愛はちょっとだけ。