米原万里 『真昼の星空』
真昼の星空
米原 万里
米原万里はやはり面白く、また今回は辛辣だこと!
ちょいちょい自分のしていることを駄目だされるのではっきりいって痛い。
でも、もちろん「いいねぇ。確かに!」って思うこともあるんです。
それから、毎度彼女の本を読むたびおもしろい!っていう要素になるのが、通訳らしい面白話。
今回は言葉の話。
金などをあるにまかせて無駄遣いすることを、日本人は
「湯水のように」
などと表現するが、砂漠の民ベドウィン族に、この慣用句を字句どおり約して聞かせたら、
「大切に惜しみ惜しみ」
の意味に受け取るだろう。というのも、「湯水のように」の意味で
「砂のように」
と彼らは言うらしい。
とかね。
それから、少子化の問題についての話はとてもよかった。
ミジンコは、依存の固体が長生きしているときは出産率が低く、逆に環境の激変に伴い死亡率が高まるとたくさんを子供を産むんだって。
で、
高齢化と少子化は、一つのコインの裏表のようにセットになっているのではないか。
人知を超えた種の存続を至上命題とする人口調整機能が働いているのではないだろうか。
今の先進国のような資源大量消費型のしかも長生き人間が増え続けては、地球は食い尽くされて人類のみならず生き物全体の寿命を縮めることになるからだ。
さて、米原万里の本は面白いので、声を出して笑えてしまいます。要注意。
やっぱり米原万里といえば『うそつきアーニャの真っ赤な真実』ですね!