『沙門空海 唐の国にて 鬼と宴す』 夢枕獏

沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ1

沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ1

 エンターテイメント小説!ってかんじ。
特に感想はブクログに書いたから良いとして、まぁ、中に出てくる知識を知ると、楽しくなります。

 たとえば、
  密教の経典のひとつ、『理趣経について

 妙適精浄句是菩薩位
 男女の交合のたえなる思いは清らかな菩薩の境地である。
 
 という意味だとか。


その後に続くほかの清浄句もまたすばらしい。

 知らなかった。こんな経典が仏教界にあるなんて。
この経典は男女の愛欲について、それは清らかな菩薩の境地である、ということを記した経典なのだとか。
 「自分という人間が抱えている、欲望や、飢え、その他人間についてまわるあらゆるものすべてをひっくるめて、それを、肯、とその経典は肯定しているのである。」

 おぉぉ! とちょっと感動。


 それから、私の好きな、言葉がものを縛る、という考え方(陰陽師でもでてきたな。)
 白居易(白楽天)も出てくるので、白居易の詩

            もよく出てくる。

 あぁ、なんだか知的欲求が満たされる☆
 内容は大エンターティメント小説なんですけど。